そういうふうにできている

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『そういうふうにできている』
というさくらももこのエッセイがある。

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私はもともと、さくらももこさんが大好きで、
まるこはもちろん小学校の頃から読んでたし、
エッセイがおもしろくて、出たらかかさず読んでいる。

『そういうふうにできている』は、
さくらももこさんの妊娠出産期のことを綴ったエッセイ。
かなり昔に読んだのだけど、まだ妊娠や出産に関して全く具体的に考えてない私でもすごく面白くて、へぇ?、妊婦ってこんなんなんだー、と興味深い体験記だった。

このエッセイ読んでおいてほんとに良かった、と今つくづく思う。

 

情緒不安定

さくらももこさんの悪阻期はかなり精神面での落ち込みがひどかったようで、読んでいて本当に辛かった。
この本を読んでいなかったら、私は、妊婦の精神面がこんなに不安定になるとは全く知らなかった。
多分「なんだこれは、なんなんだこれは」と不安な自分にますます不安になっていたと思う。

テレビドラマでよく見る妊娠は、
「うっっ・・・」

洗面所で駆け込む

(吐いたの?吐いてないの?オエってなっただけ?見てる方はよくわからない…)

「あれ?私、もしかして…。ニンシン??( ´∀`)~パァー♪」

こんな感じ。
街なかで見かける妊婦さんは、なんだか誇らしげで、とっても幸せそう、、、と思っていて、妊娠初期の「つわり」とやらがこんなドロドロの感じだとは、知らなかった。
もちろん、人にもよるし、つわりもない人もいれば、精神状態も安定してる妊婦さんもたくさんいると思う。
私はとにかくドロドロだった。

 

つわりは様々な症状

妊娠ってすごいのだ。
お腹の中に小ちゃい、ほんとに小ちゃいコマメのような胎児がいるだけで、妊婦の体や心はとんでもない変貌をとげる。
ほんとうにビックリするくらいに、情緒不安定になったり、体が驚くほど疲れやすくなったり、毎日が『あれ?あれ?』の連続でこの不安は本当にとんでもない。

妊娠って、すごくデリケートなことで、安定期に入るまで、なかなか人には言わない。
私も実際、家族にしかまだ言ってない。
もし、ダメだったとき。。。というのが大きい訳だけど、でもその安定期に入るまでがかなり妊婦って大変なんじゃないか。

まず、『もしダメだったとき』に対する不安、めまぐるしく自分の体も心も変わっていく不安、悪阻。
できれば、この時期が一番、
ねぇねぇ、これってどういうこと、
こういうときどうしたらいいの、
吐きそうだから休ませて、
って誰かに聞きたかったり頼りたかったりする時期なんじゃないかと思う。

それをあまり周りに言わずにただひたすら一人でじーーーーっと時間が過ぎるのを耐える。
つらい。
私も実際自分がこの状況にならないと、
世の中の妊婦さんが人知れず色んな不安を抱えてるとは知らなかった。

襲う罪悪感

仕事も家事もせず(できず)にとにかく布団に入ってぼーーーーーっとしてる。
妊娠しても仕事を臨月まで続ける人もいるというのに、
自分はなにしてるんだろう、
【夫】が私の仕事まで背負って忙しくしていて、
残業で遅く帰っても、私は布団でぼーーーーーっとしかできない。
何してるんだろう、と
とにかくもやもやして悲しくて、
やらなきゃーと思うのに全てがおっくうで何もやりたくなくて、
完全に【夫】にあまえてる。
【夫】は文句一つ言わずに、お茶碗を洗ってくれている。

多分、私の内部でこんなにドロドロしたわけのわからない感情がまき起こっていたとは、【夫】も知らないと思う。
言ってもどうしようもなく、すっきりすることはないのはよくわかっていた。

とにかく、横になって眠りもせず、ひたすら時間が過ぎるのを耐えるしかなかった。
働けない罪悪感と不安で、一人の時は泣いてしかない、状態だった。